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いのちのはじめかた

先日、助産師の先生に来ていただいて、自宅出産の流れを説明してもらいました。

 

上の子を助産院で産んだ私。

我が子を世界で一番初めに自分の手で取り上げたときの喜びが忘れられなくて、

今回も出来ることなら出来るだけ自然なお産をしたい、と思っていました。

 

でも引っ越し直後で何も分からず、諦めかけていたところ、

お腹の赤ちゃんに導かれて素敵な出会いに恵まれました。

でも、そもそも自然なお産へと気持ちが向かっていったのは、

遡れば、震災が自分の死生観を変えるひとつのきっかけとなったからだと思います。

 

その頃はまだ独り身で、特に身の回りでも死を意識することもなく生活していましたが、

あの日をきっかけに、これまで自分がどれだけ生や死を意識から切り離して生きてきたかということを痛感させられ、

生まれることや死ぬことは日常の中にある、いう感覚の大切さを身に染みて感じました。

 

そして、結婚し、妊娠という自分の身体の中で起こる新しい命の始まりを経験したとき、

「日々の営みの中の延長線上で命の始まりがあって欲しい」という思いが芽生えて、

それが自然なお産をしたい、という気持ちへと繋がりました。

 

だからといって、私がどれだけ願っても、お産の主役は私ではなくてお腹の中の赤ちゃん。

これはお産を通して私が心底実感したことでした。

だから最終的に病院での出産になることもあるかもしれないし、

それはそれで一つのその子の選ぶいのちのはじめかたとして、尊重し、サポートしてあげたいと思っています。

 

ただ今は、私なりにお腹の子が自分らしくいのちをはじめられるように出来る限りの事をしてあげられるよう、

頑張ろうと思っています。